騒音が心配な方へ〈壁の薄い建物の見分け方〉

賃貸物件で非常に多いトラブルが、騒音問題です。生活上で発生する音は、賃貸物件の壁が薄いと筒抜けになってしまい、いわゆる騒音となってしまう心配があります。騒音の感じ方は人それぞれで、自身が被害に合う可能性の他、逆に思わぬ苦情を受ける立場になる恐れも十分にありえます。お部屋探しでのチェックポイントである壁の薄い賃貸の見分け方をご紹介します。

建物構造からみる壁の厚み

  1. 木造
    アパートと表記されている建物の中で木造と記載されている建物です。壁・柱・床・梁・屋根など主要部材は木材ですが、遮音性は非常に低く、物件によってはちょっとした生活音も隣部屋に聞こえてしまうこともあります。しかし、全ての木造住居の遮音性が低い訳ではありません。床や壁の防音性を高めた物件もあります。
  2. 軽量鉄骨造
    軽量鉄骨造の建物とは、骨組みに厚さが6㎜未満の鋼材を使用した建築物です。耐震性・耐火性・耐久性・遮音性においては木造と鉄筋コンクリート造の中間と言われています。しかし、壁や床の遮音性は、「木造に比べるとマシ」という程度です。しかし、壁や床に吸音材や緩衝材を使用した物件もあるので一概には決められません。
  3. 重量鉄骨造(S造)
    厚さが6㎜以上の鋼材を使用した建築物のことを重量鉄骨造と言います。代表的な賃貸物件では、中低層以上のマンションに多く見られます。軽量鉄骨造に比べ柱1本あたりの強度が強いので、耐震・耐火・耐久性に優れている特徴があります。また、少ない骨組みで十分な強度がある為、レイアウトの自由度も高まり広いフロアを実現できます。しかし遮音性に関しては、軽量鉄骨造と同じく骨組みに鉄骨を使用しているだけなので、あまり防音効果は期待できないと言えるでしょう。
  4. 鉄筋コンクリート造(RC造)
    鉄筋コンクリート造は、柱や梁など建物の骨組み部分に鉄筋を使用し、さらにコンクリートを打ち込むことで強度を高めた建物を言います。引張力に優れているけれど錆びやすく耐火性が低い鉄筋と、圧縮力に強い反面引張力に弱いコンクリートを合わせ、両者の短所をうまく補っているのです。その結果さまざまなメリットが生まれ、高い耐震性・耐火性・耐久性・断熱性・遮音性を誇ります。日常のちょっとした生活音程度なら上下階や左右のお部屋に響く心配がなく、騒音トラブルも少ないと言えるでしょう。
  5. 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
    鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄筋コンクリート造の建物の骨組みにさらに鉄骨を使用した建物を指します。代表的な賃貸物件は、分譲マンションを賃貸として出している物件です。主にタワーマンションや高層ビルなどに用いられることが多く、耐震性・耐火性・耐久性・遮音性共に高い建築物と言えるでしょう。しかし建築コストが上がりやすいので、賃貸物件のなかでは家賃が高めに設定されていることが多いんです。

内見で壁の厚さを確認する

内見で見分けるということも、1つの方法です。まずは壁を軽く叩いてみて、音の伝わり具合を確認します。壁が薄い物件では叩いた時に軽い音がすることや音が響くことがあるので、しっかりと確認しましょう。確認は1箇所ではなく、連続して数か所の音を聞いてください。コンクリートなのか、もっと軽い石膏ボードなどが使われているのか、大体のことがわかります。

また、幹線道路沿いなどでは防音のため2重窓が採用されていることがあります。このような物件は、壁の遮音も一定以上考慮されているでしょうから、安心できます。