間取のお話し〈2LDK+Sとか1LDK+Nってなんですか?〉

答え 「S」「N」は、納戸のことです。

 Nは納戸(Nando)のこと、Sはこれを英語にしたサービスルーム(Service room)のことで、日本語と英語の表記の違いだけで同じものです。他にもGR(大型倉庫)、DEN(書斎)、F(フリールーム)、U(ユーティリティスペース)、M(マルチルーム)などの表記をされていることがあります。

 これは建築基準法で定められている採光基準や換気などの基準を満たしていないことから、居室表示ができない部屋については納戸等と表示しなければならないことによります。

画像の説明

居室の採光基準
 住宅などの居室(私たちが常時使用する部屋)は住む人の健康や衛生のため、自然の光を取り入れること(採光)が必要です。 建築基準法では採光に有効な窓などの開口部を居室の床面積の7分の1以上設けることと定めています。

居室の必要換気量の基準
 原則として、住宅の居室では換気回数を毎時0.5回以上、その他の居室では毎時0.3回以上の換気が出来る換気設備を設置することが義務付けられています。 ※換気回数とは、居室の空気がすべて新鮮な空気(外気)と入れ替わる回数をいいます。 毎時0.5回は、1時間で部屋の半分の空気が入れ替わることになります。

納戸の用途について

●収納スペースとして
 押し入れやクローゼットでは狭すぎて収納が難しい布団などの大きなものは、出し入れもしやすいため収納するのに最適です。また、キッチンの補完機能として重宝される「パントリー」として使うのもおすすめです。なお、ある程度の広さがありますので、荷物を煩雑に積んでゆくと収拾がつかなくなりますので、パイプラックなどを活用して機能的に利用することがお勧めです。

●書斎として
 納戸となっている部屋は、換気基準よりも採光基準による場合が多いようで、この場合窓がない(または基準以下)となっています。上にある写真は窓が小さい例です。しかし、使い方は居住者の自由(賃貸借契約の範囲内ではありますが)ですので、そこで、作業をしてはいけないなどと言うことはありません。書斎として、リモートワークに活用されている方も多いと思います。ただし、居室ではないことから、照明やコンセントが十分に用意されているかどうかの確認は必要です。

●子供の遊び場として
 不必要な物を置かないようにすれば、小さなお子さんにとってより安全な遊び場になります。

面積が同じでも家賃が安いことが多い

 納戸は部屋として確保されていても居室と認められていないため、面積は同じでも賃貸の家賃が他より安く設定される傾向にあります。たとえば同じ面積の賃貸物件があっても、間取り表記が「2LDK」と「1LDK+S」であれば、納戸付きの1LDK+Sの方が家賃が安いことが多いようです。