駅から10分とは、実際にはどれくらいの距離でしょうか?

歩く速さについて

 人の歩く速さは、老若男女それぞれ違うもの。物件情報の「駅から徒歩◯分」についても、計測する人が違えば表示もバラバラになってしまいます。このようなことにならないように、不動産表示では徒歩による駅までの所要時間を「 80m = 1分(1分未満の端数は切り上げ) 」と定めています。例えば「徒歩10分」の表示なら「 80m × 10分= 約800m 」になります。これは、女性がヒールで歩く速度が基準になったようですが、決して景色を見ながらゆっくり歩くの速さではなく、人によってはちょっと早歩きといった感じになるかもしれません。一方で、歩くのが速い方なら表示よりも時間を短縮できることもあります。

起点について

 まずは駅側からご説明します。駅側の起点は改札ではなく「駅舎の出入口」となります。地下鉄であれば「地上出口」が相当します。なお複数の出口がある場合は物件に最寄りの出口が起点となります。

 次に物件側についてですが、これも「玄関までの距離」ではなく、起点の駅に一番近い「建物がある敷地内」を着点として計測します。複数棟からなる団地やマンションなどでは、居住棟が敷地の入口から離れた場所にある場合もありますが、その場合も敷地の入口から居住棟までの距離は含まれませんので注意が必要です。このような物件の場合は特に内見の際に確認しておいてください。

駅側の起点は駅舎の出口

信号・踏切の待ち時間など

 駅から物件まで歩いてみると、場合によっては信号や踏切などがあって、横断するのに待ち時間が生じる場合があります。ところが、物件情報の「駅徒歩○分」の表示には、信号や踏切の待ち時間は含まれないことになっています。特に踏切は、時間帯により「開かずの踏切」と化すこともあるため注意が必要です。通勤時間帯に渡る必要があるのであれば、大変なことになりますのでよく確認をしてください。
 同様に、少し時間がかかる歩道橋や坂道などでの時間の影響も含まれていません。あくまで、道路距離(地図上の道なりの距離)だけで算出していることになります。坂の多い街では、距離はやや長くなっても大きな起伏の少ない道を選ぶ方がよいなどという事もあります。

踏切の待ち時間

実際に歩いてみることが重要です

 このように、物件情報の「駅から徒歩◯分」表示は、あくまで目安として考えておきましょう。表示と実際の徒歩分数とのズレが生じることを知ったうえで、一度は自分の足で歩いて時間を測ってみてください。

 なお、実際に歩くのが何より良いのですが、もしそれができないようであれば、インターネットの地図を活用して、距離だけでなく周辺の様子を含めて確認してみると良いと思います。