初冬の頃の六義園、紅葉の風景
現在の山手線駒込駅の南に位置する六義園は、都内有数の庭園として人気があります。元禄8年(1695)に、五代将軍徳川綱吉の側用人柳沢吉保が綱吉から賜った地に下屋敷を造り、そこに造成した庭園であり、元禄時代の明るいおおらかな気風を反映した江戸大名庭園の代表的なものです。
都内随一の紅葉の名所、六義園では、モミジ、イチョウ、ドウダンツツジなど、約560本が美しく色づきます。11月中旬から12月上旬が最も紅葉が美しい季節となります。2024年12月9日に六義園を訪れましたので、紅葉の庭園風景をご紹介いたします。
しだれ桜・内庭大門付近
正門より六義園に入ってすぐ、しだれれ桜や内庭大門周辺の紅葉からご覧いただきます。この辺りは敷地入口ということもあり、人の立ち入る辺りの樹木は間隔を空けて植えられており、またやや低めに剪定されていました。これにより視界が開けて遠景との対比を楽しむことができるようです。
渡月橋より吹上峯まで
「和歌の浦 蘆辺の田靏 (たづ)の鳴くこゑに夜わたる月の影ぞさびしき」の歌から名付けられた石の橋が、渡月橋(とげつきょう)です。2枚の大岩をさらに大きな岩が支えています。この付近では紅葉が見事な木々が見られます。
▲紀川あたりより渡月橋を望む。
▲渡月橋に立つと、見事なもみじが空を覆っています。
▲吹上峯方面の小高い景色を背景に紅葉が映えます。
時雨岡付近
敷地中央の池の西側、自然が特に豊かなエリアです。大きな樹木が多く道が左右に曲がっていることから、山里の雰囲気を感じることができます。訪問した当日は、快晴で強い陽の光が逆光の木々をより鮮やかに演出していました。ここが都心だということを一時忘れさせてくれる特別な空間を、多くの方々が楽しんでいらっしゃいました。
▲イロハモミジ 池の水面を背景に鮮やかな葉を楽しめます。
▲モミジ 冬の風が吹くと大きなモミジの紅葉した葉っぱがさらさらと音を立てていました。
▲特に大きなイチョウの木 鮮やかな黄金色の葉が秋の高い空に映えています。
▲ヤブムラサキの実 シソ科の落葉低木で、美しい紫が秋の景色に一層映えます。
敷地の東南、中央の池「大泉水」を望む最も有名なスポット
六義園中央の池「大泉水」には、大小2つの島があるのですが、対岸とともにそれらを景観として楽しめるのが、心泉亭を出たあたり。六義園の大泉水を一望できます。
▲晩秋から初冬にかけての大泉水の風景、中央の雪吊りが季節感を演出していました。
▲心泉亭付近、初冬の柔らかな陽が白壁に影を落としていました。