巣鴨大鳥神社の例大祭・酉の市
訪問日 2025年11月12日 一の酉

巣鴨大鳥神社の例大祭「酉の市」は、毎年11月の酉の日に行われる、巣鴨地域の冬の風物詩です。縁起物の熊手を求める参拝者や、祭りならではの活気ある露店が並び、街全体が華やいだ雰囲気に包まれます。
商売繁盛・開運招福を願う人々が訪れ、巣鴨の地に根付いた伝統行事として、地元住民はもちろんのこと、遠方からも多くの人が足を運びます。今回は2025年の「一の酉」の様子を写真でご紹介します。また「二の酉」はさらに賑わいが増し、夜まで続く明かりと掛け声が、晩秋の巣鴨を彩ります。

巣鴨大鳥神社の酉の市の起源・歴史背景
巣鴨大鳥神社の酉の市は、江戸時代に関東一円へ広まった大鳥信仰※の影響を受けて始まったとされています。もともとは、武運長久や農作物の収穫を祈願する祭礼でしたが、やがて商売繁盛を願う市として発展し、熊手を「福をかき込む縁起物」として授かる文化が定着しました。
巣鴨の地でも明治期以降、地域の商いと深く結びつきながら受け継がれ、戦後の商店街形成とともに一層活気を帯びました。今日では、古き良き日本の歳時と地域文化が調和した祭りとして、多くの人々に親しまれています。
※大鳥信仰とは、大阪府堺市にある大鳥大社を総本社とする信仰で、特に日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の白鳥伝説に由来します。
商店街の取り組みと「酉の市」の位置づけ
巣鴨地蔵通り周辺の商店街では、酉の市に合わせて特設の露店を設けたり、熊手や提灯を飾ったりと、街全体で祭りムードを高めています。商店主にとって酉の市は、単に人通りが増える繁忙期ではなく、一年の商いを見つめ直し、翌年の商売繁盛を祈願する大切な節目です。神社で熊手を授かったあと、それを店頭に掲げて気持ちも新たに一年を迎えるという文化も受け継がれています。
祭り当日は、境内へ続く参道に明かりが灯り、家族連れや高齢のご夫婦、仕事帰りの若い人たちなど、幅広い年代の来訪者が思い思いに歩みを進めます。商店街の多くの店主に加え、熊手商の威勢のよい掛け声や、温かい屋台の湯気が立ちのぼり、訪れる人々は「今年もこの季節が来た」と実感しながら、笑顔で写真を撮ったり、店先で店主と談笑したりと、ゆったりとした時間が流れます。
常連客にとっては、馴染みの店主と再会し、互いの一年を労い合う貴重な機会でもあります。こうした交流が積み重なることで、巣鴨ならではの温かなコミュニティが保たれています。酉の市は、地域と人を結びつける「場」としての役割を持ち、街のにぎわいと文化を次世代へとつないでいます。祭りの日の巣鴨には、人々の活気と温もりがあふれ、普段の商店街とはまた違った魅力が広がります。

露天で熊手を選ぶ人々

活気のある夜の商店街

奥の方までずっと続く夜店